ザ・雑談 ~続・アニメの話
- nmtmah
- 2015年11月1日
- 読了時間: 6分
前回、「久々に見て面白かったアニメの話」をするつもりが、全然しないで終わってしまったので、
今回はちゃんとします。
逸れないうちにさっさと本題に入ろう。
最近見て面白かったアニメ、それは、
『おそ松さん』 テレビ東京ほかにて 月曜深夜(=火曜)1:35~ (2015年10月6日放送開始)
“ あの名作ギャグ漫画『おそ松くん』の六つ子が成長して大人になった“
という設定で、赤塚不二夫生誕80周年記念企画らしい。
キャッチコピーは、「成長しても、やっぱりバカ。」
これがね、面白かったんです。
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もともと、『おそ松さん』という企画がどこかで立てられているらしいことは知っていたのですが、
いつからどの局で放送するのかとか、何も知らなくて。
先日、テレビ欄を見ていたら『おそ松さん』の文字を発見。
深夜なので録画して翌日見ました。
そういう次第で、私が先日初めて見たのは第4話だったのですが、
これがまあ、予想を上回るシュールさでした。
本当に、久しぶりに「アニメとして優れた作品を見たな」と思いました。
誤解の無いように言いますが、この場合私が言う「アニメとして優れた」というのは、
良質な子供教育ができるとか、美しい画面だとか、もちろんそういうことではありません。
“ そのメディアの特性を活かして作品を作っている “ = “ アニメーションでしか表現できないものを表現している “
というようなことが言いたいわけで。
例えば、ある漫画を原作として、映像でそれを表現するとしたら、アニメがいいのか実写がいいのか、という選択がありますね。
そういう場合、やはり漫画によって、向き・不向きはある。
もちろん、表現の仕方によってはアニメと実写、どちらでも良いものができることはあります。
ただ、極端に言うなら、魔法が出てくるファンタジー世界が舞台ならアニメがいいだろうし(さもなくば本格CGを使用した実写か)、現代日本の闇を暴く社会派サスペンスなら、やはり実写でリアリティを持たせた方がよりインパクトがあるだろうし。
まあ、そんなことで、
ギャグ漫画ってのは、漫画以外のメディアにするなら、やっぱりアニメだなあと思い、
かつこの作品は、漫画では表現できない面白さを、アニメという方法を使って存分に表現しているゆえに、アニメとしての価値があるなあ、と思って感心したわけです。
…すいません。単に「面白い」ってことをエラく廻りくどく言いましたね。
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『おそ松くん』との大きな違いは、六つ子が結構見分けやすく、キャラ付けがハッキリなされてる点です。
『おそ松くん』では、ほぼ見分けがつかなかったわけですが、(私は声を林原めぐみが担当していたトド松をかろうじて判別できるくらいだった)大人になった彼らは、こんな感じ。
おそ松 → バカ。小学六年のメンタルのまま成長。
カラ松 → クールでカッコつけ。っていうかイタイ奴。
チョロ松 → 六つ子の中で唯一の常識人。ツッコミ役。
一松 → マイペース。何考えてるかわからない。キレたら人を殺しそう。
十四松 → 異常に明るく異常にバカ。
トド松 → 甘え上手の世渡り上手。
ちなみに20代前半らしいが、全員無職。
チョロ松だけが真面目に就職活動をしている。
私は、予備知識として全員の名前を覚えていたので、見終わる頃にはどれが誰だかわかるくらいにはなってました。
(それにしても、6人のどれが誰だか(ひいては長男~六男の順も)30分の間に理解せよ、というクイズのようだった。)
声優陣も、櫻井孝宏、入野自由、井上和彦など、ベテランが多い。
絵のテイストもオシャレ。原作の雰囲気はしっかり守りつつ、全体的にコギレイ。色の使い方も独自性があってよい。
さすが、タツノコプロの流れを汲むベテラン「スタジオぴえろ」の作品。
カテゴリ的には、シュール・ナンセンス・ギャグアニメとでも言いましょうか。
ベタな展開と意外性が程良く混ざった感じで。
ただし、これだけはご注意を。
なにせ深夜アニメ。
キツめのパロディ・下ネタ・社会風刺が盛り込まれているので、
ブラックな笑いがお嫌いな方にはお薦めしません。
(第3話はパロディの度が過ぎたため、BSで放送する際に一部修正がなされたそう。)
また、アニメと言えば大事なのが、OP(オープニング)とED(エンディング)ですが、
OPテーマもEDテーマも、このアニメの為に作られたもので、
そこもまたアニメとして価値が高いと思う。
(最近のアニメに使われる曲は、「アニメソング」とは言えないものばかりだから…。)
しかも、OPもEDもなんか異様に長い。
でも、面白いのでついじっと見てしまう。
OPは、「A応P」というアイドルグループが歌っていて、イマドキのアイドル曲らしくテンポの速いやつですが、きちんと “ おそ松さん “ という言葉が入っているし、映像ともマッチしていて私は好きです。
EDテーマは『SIX SAME FACES 〜今夜は最高!!!!!!〜』という曲で、
映像は、おでんの具にカラシで描かれたキャラのストップモーション、という手の込み具合。
メインボーカルはイヤミで、毎回六つ子のうちの一人が合いの手(台詞)を繰り広げるらしい。
(私はまだ第4話しか見てないのでチョロ松ver.しか知らないのですが。)
とにかくこの『おそ松さん』という作品を作ってる人たちの、センスの良さと熱意をすごく感じますね。
(番組紹介PVとかカッコイイ。)
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私は、結構笑いに関してはシビアな方だと自分では思っていて、テレビで芸人さんのコントを見ていても、ほとんど笑いません。(たとえ観客が爆笑していても。)
別にわざと笑わないようにしているわけではなく、どちらかというと、「なるほどね。そういう風に笑いを取ろうとするわけね。(そんなに面白くないけど。)」と分析したりしてしまい。
そのくせ、「こうして何万人から批評を受ける立場に立って、果敢に自分の力を試しているなんて、エライなあ。」と温かい目でもみたりして、やってる側からしたらすごくヤな観客なわけです(笑)。
でもやっぱり、コントでも漫才でも、面白いと思えば笑いますから、私に笑わないで見られているネタは、あまり面白くないってことでしょう。
(ちなみに、コントより漫才の方が面白い場合が多いと、私は思っている。ので、漫才師の方が笑わせる事において能力が高い人が多いと思っている。そして、漫才やコントの腕とフリートークの才能は別だとも思っている。)
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そんな私が、終始ニヤニヤしながら(←コレほんと)見てしまったアニメです。
(少なくとも、先日見た第4話は私にとって面白かった。)
ご興味のある方は、一度ご覧になるといいかもしれませんよ。
…と、またぞろ私がオタクであることを暴露してしまった。
「お前、六つ子の名前全員言えるとか、どの世代なんだよ。」というツッコミはナシでお願いします。
<追記>
ちなみに、私が『おそ松さん』を知るきっかけになったのは、駅でちらっと見かけたポスターだったのですが、
後で調べたらそれは厚生労働省の最低賃金周知のポスターだったようです。
「そこに無職の(しかも働く意思のない)六つ子を起用するのかよ!」と一人ツッコみ、
その案を採用した厚生労働省の担当者のセンスは称賛に値すると思いました。
〈了〉
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